年: 2021年

憩室炎が再発して入院

   10月4日、憩室炎が再発し入院した。 そもそも腹部の張りが前々日(2日)あたりからあったのだが、 それが翌日(3日)になってもひかず、むしろそこに痛みが加わってしまった。 さらにその翌日(4日)には発熱してしまい、 …

永井荷風と石川淳

 この記事は多分、一冊の本についてその感想を書いたり、況してや書評を書いたりするような意味での「レヴュー」にはならないと思う。  私は、最近、石川淳の「焼跡のイエス」「処女懐胎」などの短編をいくつか読んだ。  (なぜそれ …

「影裏」沼田真佑

 2017年度・第157回芥川賞受賞作の「影裏」(文芸春秋社)を読んだ。  この作品のあらすじを逐一書くつもりはない。  だが、一応これくらいは事前情報があってもいいということで、書籍の帯に書かれてあったものを記しておく …

『転位のための十篇』火の秋の物語 ――あるユウラシヤ人に――(吉本隆明)

 詩人であり、思想家でもある吉本隆明の詩、 『転位のための十篇』の中の「火の秋の物語――あるユウラシヤ人に――」   **  この詩を読んでいつもイメージするのは「影絵」である。  影絵が小さな画面のなかで動きながら、や …

「現実は無情」?

 たとえば、全てを失ったと嘆く人が居るとしよう。  彼が現状を指して、歴史や大衆の残酷さを嘆いてみせても、「歴史」が、そのような残酷さを忘れた瞬間など、かつて一度もなかったのだと言うことを、やがて彼は思い至るだけだ。   …