「思い出の珊瑚」
中井久夫の『徴候・記憶・外傷』所収「発達的記憶論−外傷性記憶の位置づけを考えつつ」エピグラフより引用。 海の神秘は浜で忘れられ、 深みの暗さは泡の中で忘れられる。 だが、思い出の珊瑚はにわかに紫の火花を放つ …
中井久夫の『徴候・記憶・外傷』所収「発達的記憶論−外傷性記憶の位置づけを考えつつ」エピグラフより引用。 海の神秘は浜で忘れられ、 深みの暗さは泡の中で忘れられる。 だが、思い出の珊瑚はにわかに紫の火花を放つ …
大江健三郎を読んでいて、ふと立ち止まることを余儀なくさせられる言葉、に出会うことがある。 その言葉、「一瞬よりはいくらか長く続く間」を、ノートの切れっぱしに書き取り、書斎の壁に貼っている。 そうして、自分が …
「茶番・取るに足らない詳細・無名性・栄誉無き日常・共同生活といった、これらすべてのことが、言われうるし、言われなければならず、望むらくは書かれうるし、書かれなければならない。(中略)誕生したのは、従って、言述の広大な可能 …