「焼跡のイエス」石川淳
石川淳(1899〜1987)は1935年、処女作「佳人」を発表し、1937年「普賢」により芥川賞を受けた。 さらに第二次世界大戦後(1945〜)も、1946年に「焼跡のイエス」1948年に「処女懐胎」1949年「最後 …
石川淳(1899〜1987)は1935年、処女作「佳人」を発表し、1937年「普賢」により芥川賞を受けた。 さらに第二次世界大戦後(1945〜)も、1946年に「焼跡のイエス」1948年に「処女懐胎」1949年「最後 …
2017年度・第157回芥川賞受賞作の「影裏」(文芸春秋社)を読んだ。 この作品のあらすじを逐一書くつもりはない。 だが、一応これくらいは事前情報があってもいいということで、書籍の帯に書かれてあったものを記しておく …
イエスの生涯をキリスト教作家の遠藤周作が自らのイエス解釈を含めて物語っている。 「無力な人、愛の人、イエス」像は大変興味深かった。 徹頭徹尾、「愛」に生きようとし、愛を実践し、愛に死んでいった人間・イエス。 その真 …
「異端」とは何だろうか? 「正当」の囲いの外に弾かれたものが「異端」なのだろうか。 だとするなら、「君」は「正当」ならぬ「異端」の存在ということか。(「だった」ということなのでそれは過去のこと、ではあるのだが。そして/ …
詩人であり、思想家でもある吉本隆明の詩、 『転位のための十篇』の中の「火の秋の物語――あるユウラシヤ人に――」 ** この詩を読んでいつもイメージするのは「影絵」である。 影絵が小さな画面のなかで動きながら、や …
「いっさいの書かれたもののうち、わたしはただ、血をもって書かれたもののみを愛する。 血をもって書け。 そうすればお前は、血が精神だということを理解するだろう。」 ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』には上記の記述 …
たとえば、全てを失ったと嘆く人が居るとしよう。 彼が現状を指して、歴史や大衆の残酷さを嘆いてみせても、「歴史」が、そのような残酷さを忘れた瞬間など、かつて一度もなかったのだと言うことを、やがて彼は思い至るだけだ。 …