雪が降り積もる夜を眠り続け、朝になって窓の外を見た。
どこか頼りない、弱々しい美しさが目に映った。
白く様変わりした、黒い土と、本来陰鬱な田舎の家々のその屋根。
それは、白い空を背景に持った雲のスケッチのように輪郭が曖昧だと感じられる。
例えば、白いキャンバスに鉛筆で、素朴な手つきで描かれたスケッチのようだった。空の白さと屋根屋根の雪の白さ、本来は暗くなるはずの路面の陰に溜まった雪の塊が陰影を逆転させながら、街の輪郭を奪ってしまったような錯覚に捉えられたのだった。
空と町の間を繋ぐように降り続く雪が、瓦礫の色に見えた。