カテゴリー: 日記
永井荷風に会ったドナルド・キーン
今日(2月24日)はアメリカ出身の学者、ドナルド・キーンの命日。 近松門左衛門などの古典から現代文学まで幅広く研究した日本文学者で、 三島由紀夫、安部公房、司馬遼太郎など日本を代表する作家たちとの交友もあった。 …
「先導獣の話」古井由吉
古井由吉「先導獣の話」読了。 僕たちがしばしば「狂気」と呼ぶのは、認識の裂け目に生まれた特殊な想像力のことか。 群衆(群集)の中に秘められた殺到の秩序がいつか崩れる時を夢想する主人公。 彼が駅の群衆から主人公が喚起 …
短編小説のアンソロジー「小説の惑星」
短編小説のアンソロジー「小説の惑星」(ちくま文庫 伊坂幸太郎・編)を買った。 青い装丁のノーザンブルーベリー編と赤い装丁のオーシャンラズベリー編の二冊が在ったので両方購入。 「先導獣の話」(古井由吉)とか、「人間の羊 …
荷風の背中と「明月珠」
2000年に発行された、三田文学創刊九十年記念の「三田文学名作選」の中に、石川淳の「明月珠」を見つけたので読んでみた。 「三田文学名作選」の編集後記「編集室から」によれば、この選集は「第一号三田文学以降のすべての掲載 …
大岡昇平の涙
ルソン島中西部のフィリピン(ミンドロ島)において暗号手として戦地にいた大岡昇平が、アメリカ軍の俘虜となり、レイテ島タクロバンから復員して来たその苛烈な体験を一編の小説に書こうとしたとき、 「あんたの魂のことを書くんだよ …
「批評家失格」小林秀雄
小林秀雄は『批評家失格』の中の「近頃感想」の中で次のように書いている。 「嘘をつくからいけないのだ。己を語ろうとしないからいけないのだ。 借りもので喋っているから種切れになるのである。 身についた言葉だけ喋っていれば、 …