年が明けてすでに二十五日が経つ。
昨年はSNSで読書アカウントを始めたこともあり、簡単に読後感を綴っていたのだが、「感想」を簡潔に書くと言うのはなかなかに難しい。特に「ネタバレ」せずに書くことは難しいと感じた。
昨年読んだ本の一部を列記しておきたい。(再読だったものについては(再)を付す。)
芥川龍之介「秋」
嵐山光三郎「文人悪食」(再読)
石川淳「焼跡のイエス」(再)、「名月珠」、「紫苑物語」、「石川淳評論選」(再)
・「最後の文人 石川淳の世界」
・「ユリイカ 特集 石川淳」
磯田光一「永井荷風」
石沢麻依「貝に続く場所にて」
石牟礼道子「苦海浄土 わが水俣病」(再)
石井千湖「文豪たちの友情」
江藤淳「荷風散策 紅茶のあとさき」
遠藤周作「イエスの生涯」、「キリストの誕生」
大江健三郎「ヒロシマ・ノート」
大岡昇平「野火」(再)
岡田睦「明日なき身」
川本三郎「小説家の休日 昭和文壇実録」
小林秀雄「ゴッホの手紙」
瀬戸内寂聴「奇縁まんだら」
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」(再)
永井荷風「濹東綺譚」(再)、「摘録 断腸亭日乗」、「春雨の夜」、「羊羹」、「或夜」
原田マハ「デトロイト美術館の奇跡」、「たゆたえども沈まず」
出口治明「全世界史」
橋本治「小林秀雄の恵み」
半藤一利「文士の遺言 懐かしき作家たちと昭和史」
福永武彦「草の花」(再)
樋口一葉「大つごもり」(再)
丸谷才一「別れの挨拶」、「文学ときどき酒」(再)、「樹影譚」、「横しぐれ」
三島由紀夫「金閣寺」(再)
吉田篤弘「月とコーヒー」、「つむじ風食堂の夜」
吉行淳之介「原色の街」(再)、「驟雨」(再)、「物書きのたしなみ」
若松英輔「小林秀雄 美しい花」
昨年は、何と言っても、永井荷風と石川淳の魅力に気づいた事が大きい。
永井荷風の日記「断腸亭日乗」を読んで、他者の書いた「日記」を読む面白さにハマった。それはまるで、永井荷風という人の暮らしの一端を垣間見ているような気分になる読書体験だった。
石川淳に関しては、とにかく、その「文章」に魅了された。「紫苑物語」のとある場面などは、心情を伝えるにかくも過不足ない描き方が可能なのかと一驚したものだ。
今年以降、永井荷風と石川淳は継続して読んでいきたいと思っている。