W/R
書くこと、読むこと、考えること。
 
年: <span>2021年</span>

永井荷風と石川淳

 この記事は多分、一冊の本についてその感想を書いたり、況してや書評を書いたりするような意味での「レヴュー」にはならないと思う。  私は、最近、石川淳の「焼跡のイエス」「処女懐胎」などの短編をいくつか読んだ。  (なぜそれ …

「イエスの生涯」遠藤周作

イエスの生涯をキリスト教作家の遠藤周作が自らのイエス解釈を含めて物語っている。  「無力な人、愛の人、イエス」像は大変興味深かった。  徹頭徹尾、「愛」に生きようとし、愛を実践し、愛に死んでいった人間・イエス。  その真 …

「君が異端だった頃」島田雅彦

「異端」とは何だろうか? 「正当」の囲いの外に弾かれたものが「異端」なのだろうか。  だとするなら、「君」は「正当」ならぬ「異端」の存在ということか。(「だった」ということなのでそれは過去のこと、ではあるのだが。そして/ …