W/R
書くこと、読むこと、考えること。
 
年: <span>2022年</span>

加藤周一の、石川淳評(「日本文学史序説」)

「日本語の文学的散文を操って比類を絶するのは石川淳である。その漢文くずし短文は、語彙の豊かさにおいて、語法の気品において、また内容の緊密さにおいて、荷風を抜きほとんど鴎外の塁に迫る。・・・・・・荷風以後に文人と称し得る者 …

障害当事者が小説を書くということ

つねづね、障害があろうがなかろうが、自分の認識は自分のものだと言い張りたいと思ってきたが、それは本当にそうだっただろうか。  (小説にするつもりの文章などを)いざ書き始めるとすぐに「マイノリティ」の視点から世界を眺める書 …

歴史

 自分が歴史の末尾に在る者だ、という意識に憑かれている。  僕は自分にはどんな円環もない、と感じている。  つまり、この一回限りの生だけが自分のものだというふうに思っている。  一回限りの痛み、悲しみ喜び、怒り―。  幾 …