W/R
願うように書きたい。祈るように読みたいー。
 
W/R

diary

2021.8.29

きっと、「世間知らず」なんだろうね。

愚かさを愛してしまうから。

でも、その愚かさを、情熱と呼ぶことができるなら、

僕は、それでもいい。

 
 
2021.8.24

湿気を含んだ重たい空気が僕の体にまとわり付く。

疲れた体を引きずりながら歩いた。

何も考えないようにしながら。

夕暮れが苦手だ。

手を伸ばしてみる。何に触れるだろう? 「過去の傷」なんて言いたくはない。

ひたすら、祈っているんだ。手抜きなんか出来ないから。

涙がこぼれそうになるのを耐えてみる。

我慢することにどんな意味を見出せばいいのだろう? 息をつめて、我慢していた。

愛しい人の声が、世界一優しい音楽のように耳の奥で響いているのを感じながら。

 
 
2021.8.21

独り、部屋に寝転がって「読むこと」に没頭してみた。

物語はいよいよ佳境に入ろうとしていた。

主人公の苦しみは、全世界の哀しみを象徴しているかもしれないと、漠然と思ってみる。

物語の中で主人公は孤独すぎる。

「彼の自由と僕の自由」と呟いてみた。

書き手の自由と読み手の自由、と言い換えてみる。

どうしてそんなふうに言ったのか分からなかった。

目で文字を追っていて、音の無い世界に来ていると感じていた。

そう思っていたのに「作者の自由と読者の自由」などと呟いてしまったものだから、無音の世界が一気に破けた。

だけど、そこから僕は本当の世界に繰り出して行くんだと窓の外を見たら、痩せた月が掛かっていた。

雨はいつの間にか上がっていたんだなと、僕は思った。

 

 

2021.8.18

僕自身のプライドを、取り戻そうと、心に決める。

目に見えているものだけで判断するわけにはいかないだろう。

僕は、自分自身の「真実」のために書こう。

今までだってそのつもりだったが、今後はもっとそれが過激になってゆくだろう。

「真実」や「美」が本当に、本当に、本当に、「善きもの」である保証など、何処にもないけれど。

「美」とは美しくないものであるかもしれないではないか。

真実とは劇薬であるかもしれないのだ。必ずしも良薬ではないのかもしれない。

むしろ、僕自身の体験からいえば、僕を撃ち抜き、救ってくれた言葉たちは、

その大概が、劇薬だった。

本気の叫びが、万人に届くなど、まずもってあり得ない。そしてそれは、特段、悲しむべき事態ではない。

僕の言葉が必ずしも、

誰かを救ったりしないかもしれない。

そういうことだ。 

 

 

2021.8.16

言葉を紡ぐということの、「一回性」と「絶対性」の中で、

いつだって、僕は立ち尽くしてしまうけれど、

この肉体と精神を唯一の武器に、自分のそんな弱気と闘っていかなければ、

僕は、「あの日」の僕自身に、顔向けできない。 

 

 

2021.8.13

理解されること、誤解されることー。

かつて僕にとって、この二つは同義だった。

僕は、自らを隠し、理解されることを拒んでいた。

人一倍「分かって欲しい」くせに。

分かって欲しい、と思うことは、願うことは甘えだろうか? 

いや、それが甘えであるにしろ、そうじゃないにしろ、そんなことは、

今の僕にはどっちだっていいことだ。

僕は僕だし、僕の思いは僕の思いに過ぎない。

情報と言うのは発した時のカタチと受け取る時のカタチが必ずしも同じだとは限らないのだから。

そして、それはそれでいいのだと、思う。

ただ、僕はそれでもなお、本当の理解という、そんな「奇蹟」を願っている。

それなくしては、一行たりとも一文字たりとも書けやしないのだ。 

 

 

2021.8.10

書くことと、読むことの間に。

小説と物語の間に、きみと僕の間に。

そのボーダーにこそ興味がある。

分かったようで何も解らないまま、毎日は過ぎていくようだけれど、

そんなはずはない。

僕は出来るかぎり理解しようとしているし、境界に立ち続けながら言葉を探し、

それでも言葉になりきれないものの「向こう」に、心を飛ばしてみたりする。

そうだ、風景の向こうへ。

俯くな、顔をあげろ。